米国経済見通し
米国の経済成長率見通しが悪い。
29日(ニューヨーク時間で28日夜)には日本の5月の鉱工業生産統計が発表される。3月は大地震の影響で同生産は15.5%減少し、4月にわずか1.6%回復しただけだった。ただし製造業部門は向こう数カ月間、生産が上向くと予想されている。日本は世界の自動車メーカー向けに不可欠な部品を製造している。このため、日本の生産回復を受けて米国の自動車業界は喪失した生産を今後数カ月間で取り戻すはずだ。
それは米国のGDP伸び率をかなり大幅に加速させることを意味するかもしれない。自動車生産が夏季の機器入れ替えで一時閉鎖されるのが通常だから、なおさらだ。
しかし、日本の鉱工業部門の回復が実現しなければ、こうした米成長予測も覆される恐れがある。既に、JPモルガンは日本の5月の生産見通しをそれまでの7%から5.5%に下方修正した。輸出統計が予想に達しなかったためだ。ハイ・フリークエンシー・エコノミクス社の主任エコノミスト、カール・ワインバーグ氏に至っては、5月の生産は実際には2%減少すると予想している。同氏は「日本が急回復していることを示す材料が全くない」と述べている。
今後の見通しは米国の自動車メーカー次第だ。30日には自動車各社は6月の米販売台数を発表するが、それは生産見通しをアップデートする機会にもなる。結局のところ、自動車が下半期の米景気反発の推進力になるとみられている。その反発がなければ、現在の強い成長予測はそのまま維持できないだろう。
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